【海塾】ブルーカーボンって何だろう?(2011/09) 環境活動レポート

カーボン・オフセット付きメール便でCO2削減と被災地の復興支援事業のGREEN WORKSプロジェクト

環境活動レポート

【海塾】ブルーカーボンって何だろう?(2011/09)

海塾/井上さん 記者:橋本、菊本

今回は「ブルーカーボン」について、認定特定非営利活動法人 海塾の井上さんへインタビューに伺ってきました。
 

①ブルーカーボンとはどのようなものですか?
地球の海:陸の面積比は7:3であるにも関わらず、陸のCO2吸収量だけがよく取り上げられ、海のCO2吸収量についてカウントしなくていいのかと前々から言われてきました。
そんな中、2009年10月に国連環境計画(UNEP)の環境セクションがブルーカーボンのレポートを提出し、森林など地球上の生物が固定化する炭素のうち、海洋生物の吸収するCO2は全炭素量の55%を占めると発表しました。報告書は、森林など陸上の植物だけではなく、海洋生物(マングローブ・アマモ海藻類・プランクトンなど)によるCO2吸収の重要性を指摘しています。


②ブルーカーボンの現状はどのようになっていますか。
まだまだ認知度が低いというのが現状です。 特にカーボンオフセットの考え方はグリーンカーボン中心のヨーロッパが独り勝ち状態です。加えて、海洋生物のCO2吸収に関してはグレーな部分が多いので、ブルーカーボンについて各国が足並みそろえて研究を進めることもできていません。今後は海洋生物がCO2を吸収するという事実を踏まえた上で、もっとCO2吸収量を高めるためにはどうしたらよいか、CO2吸収量の具体的な数値化とともに考えていかなければなりません。
日本に関して言えば、海洋面積は先進国の中で6位、アメリカやオーストラリアとならび国連加盟国の中で沿岸域が長いため、今後ブルーカーボンを排出権取引の枠組みにカウントすれば国際的な交渉にも有利になると思われます。


③今後、ブルーカーボン啓蒙していく上でどのような活動を行っていく予定ですか。
「東日本大震災の被災地の復興とブルーカーボン」をテーマに一つ活動を予定しています。 津波により、三陸沿岸域の藻場・干潟といったブルーカーボンは全て失われました。私たちはこの失ったブルーカーボンを被災前の状態に戻す取り組みを通して、現地の基幹産業である水産業の復興を側面的に支援したいと考えています。先程のブルーカーボンの現状の中で課題としてお伝えした、ブルーカーボンの具体的な数値化を行うことができるとともに、被災地の雇用の創出も行うことができます。この取組は、大学や国の研究機関、また現地の漁師さん達と共同でプランニングしています。
その他にもブルーカーボンを知ってもらうために、さまざまな取り組みを考えていこうと思っています。

  「ブルーカーボン」についてとても勉強になりました。

海塾の井上さん、ありがとうございました!!

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