【獨協大学】犬井ゼミ 経済学部がキャンパス内で田植え(2013/06/05) 環境活動レポート

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環境活動レポート

【獨協大学】犬井ゼミ 経済学部がキャンパス内で田植え(2013/06/05)

田植え前の水田 記者:須田
 
 
今回は獨協大学経済学部経済学科の犬井ゼミの学生が行う田植えを取材してきました。
 
犬井ゼミ(経済地理学研究室)は、フィールドワークを主体とした持続可能な農業・農村地域に関する諸課題や、グリーンツーリズムをはじめとした自然環境との共生を目指した観光業のあり方などについて、地理学的な視点から調査・研究を行っています。
 
取材は5月10日に行った「田植え」ですが、GW前には「田起こし」も行っており、10月初旬には稲刈りを行うそうです。その後、脱穀・精米したお米を使っておにぎりを作り、また、学内で収穫した野菜などをけんちんにして食べる「芋煮会」も実施するとのことでした。
 
田植えから、育てたお米を食べるまでの流れを実際に見られる機会はなかなかないですし、稲の成長を観察するのも非常に面白そうなので、今後もこのGreen Worksで報告をしていきます。
   
当日は快晴で、スーツでさえなければ私自身が参加したくなるような、すばらしい田植え日和でした。
 
田植え開始の前に、犬井ゼミの講義を担当している北﨑先生に、前から疑問に思っていた「何で経済学部が田植えなのか」について聞いてみました。

*     今回の活動のコンセプトは?
→北﨑先生
「人文・社会科学系の学部しか持っていない大学が、いかにして、食や農、環境問題にアプローチできるか?」をコンセプトにしています。学内にある実験用の水田を活用し、実際に学生たちがそこで活動することによって、そうした課題について実践的に考えていきます。
 
*     経済学部が田植えというと、なかなか繋がりにくいワードですが、なぜ田植えなのでしょうか?
→北﨑先生
現代は分業化が進み、生産者の大半は生産部門だけを担当し、消費者のほとんどは消費部門だけを担っている社会です。そうした状況は、消費者の食や農・環境に対する無関心さを生む要因の一つになっています。そこで、消費者の中でも、生産者からもっとも遠いところに位置する学生たちに、こうした生産活動を通して、食の安全・安心や、環境問題などを身近に感じ、考えてもらうことが必要なのです。
また、今回とは別の活動ではありますが、現在の4年生は夏季合宿で、長野県茅野市に赴き、グリーンツーリズムをコンセプトに、実際の農家に入り、農業体験や集落調査を行い、大学生の視点から、今後の農業と観光を結びつけたグリーンツーリズムの可能性について調査・研究をしてきました。
 参考:【活動報告】http://www2.dokkyo.ac.jp/~csemi002/2012s/2012summer.htm
 
 
田植えの開始時間が近づいたのでさっそく水田へ移動
水田に着くと、なんと犬井学長が誰よりも先に水田で待機していらっしゃいました。
ご自身のゼミだからといい、学長職でお忙しいなか、一番乗りでいらっしゃるとはとても驚きました。ゼミ生も嬉しかったでしょう。
 
その後すぐに特任助手の大竹先生や学生が集まりいよいよ活動開始
 
学長や学生が、裸足・長靴など様々なスタイルで水田に入って土をほぐす作業からはじめます。土をほぐすのは、田植えの前にちゃんと苗が植えられるようにする大事な作業で、スコップや耕運機を使っていました。大学に耕運機があることにびっくりしましたが、さらに学生が慣れた手つきで操作しているのにも驚きました。
土をほぐす際に一緒にそばに生えていた白詰草をむしって畑に入れていました。
白詰草は地力作物・緑肥作物といい、土に混ぜ込むと腐って土を肥やすそうです。この為にあえて田んぼの縁に育成していたそうです。
 
ほぐし終えると、犬井学長から今回の田植えについてご説明があり、そしてようやく田植えです。
 
苗を植えている際に工夫も見えました。
等間隔で印をつけたロープで、苗の間隔を崩さないようにします。
苗の間隔が狭いと、成長した時に重なり合い日光を遮るなど、お互いの更なる成長を邪魔してしまうそうです。
 
また、ゼミ生だけではなく、近所の保育園の園児も参加していました。獨協大学は地域に開けた大学となっており、普段からキャンパス内を散歩コースしにいている園児たちだそうです。草加市周辺ですと、水田は近隣にほとんどなくなったので、園児たちにも貴重な体験になったようです。楽しそうに田植えを行っていました。
 
今回の田植えに参加したゼミ生の皆さんに少しお話を聞いてみました。
*     田植えは昨年に引き続き2回目だそうですが、何を学べましたか?
→山崎くん
普段は当たり前に食べているごはんのありがたさ、また、作物を作ることの大変さを学びました。
 
→柿ノ迫くん
普段口にしているモノが、どういう場所・環境でどのように手間をかけて育てられたか、勉強だけでは学べなかった農業の難しさや大切さを学びました。
 
*     今年はまだ田植えだけですが、昨年1年間稲作をしてみて思ったことはありますか?
→柿ノ迫くん
食への安全性が求められる昨今でも食材への興味関心の薄い最近の学生たちに、若い世代の僕たちから、ゼミの活動などで学んだことや食材を作る過程・大切さを広め、食の安全性への意識を高めさせていきたい。
そのために、稲の成長過程や、東棟にある屋上庭園で栽培している野菜の成長過程を記録し掲示・報告もしています。
 
→渡邉くん
ゼミで学んでいくなかで、座学だけでなく、今回の田植え活動のようなフィールドワークで実際に体験するといったような経験がないと、より深い理解はできないのだなと感じました。
 
田植えを行っている最中、気付くと多くの人が集まってきていました。また、ゼミ関係者以外にも、教職員の方や他学部の学生など、人垣が出来るほどの人々が近くで田植えの様子を見ていました。
キャンパス内に水田があると、実際に田植えに係わっていない学生でもこうした作業を見たり、稲の成長も見られて、ゼミ以外の学生にも関心を持ってもらえることが出来るのかなと感じました。

  実は、私も獨協大学の卒業生です。犬井先生の経済地理学の授業も受講したことがあります。当時、先生の授業内容に興味があり選択しました。東京・清瀬市に実地調査として、生産緑地の制度を活用している農家に調査に伺い、とても面白かった記憶があります。今回の取材を終え、また獨協大学に入り、犬井ゼミに参加して、犬井先生の授業を受けたくなりました。

フォトギャラリー

水田とシロツメ草と犬井学長

水田とシロツメ草と犬井学長

耕運機で土をほぐす

耕運機で土をほぐす

田植え

田植え

近所の園児が田植えに参加

近所の園児が田植えに参加

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